家族葬の費用と葬儀社の選び方
家族葬にかかる費用の実態を全国調査の数字で示し、費用の内訳、プランの表示価格と総額の違い、見積書で確認すべき項目と、葬儀社を選ぶときの判断基準を案内します。
家族葬は、参列の範囲を家族や親族など身近な人に限って行う葬儀の呼び方です。法令で決まった形式ではなく、葬儀社ごとに内容も価格の付け方も異なります。「家族葬は安い」と思って依頼したのに、総額は一般葬とあまり変わらなかった、という行き違いも起こりがちです。この記事では、実際の費用の調査結果と内訳、見積書で確認すべき項目、葬儀社を選ぶときの判断基準を整理します。
この記事の要点
- 家族葬の費用総額の中央値は96.39万円。一般葬の122.01万円との差は約26万円で、「半額になる」という水準ではありません
- 内訳の中央値は、基本料金72.02万円・飲食費11.67万円・返礼品費13.03万円。宗教者へのお布施は、この総額とは別に用意します
- プランの表示価格はあくまで出発点で、火葬料金や安置料など含まれていない費用があります。判断材料は、自家の条件を入れた総額の見積書です
- 喪主の87.1%が葬儀社を比較せずに決めたという調査結果もあります。元気なうちの事前見積もりがいちばんの備えです
家族葬の費用はいくらか
株式会社鎌倉新書が喪主の経験者を対象に行った「第7回 お葬式に関する全国調査(2026年)」(2026年2〜3月調査、有効回答2,000件)では、葬儀費用の総額(基本料金・飲食費・返礼品費の合計)の中央値は96.73万円でした。形式別の総額は次のとおりで、家族葬を実施した人は全体の47.0%と最も多く、主流の形式になっています。
| 形式 | 費用総額の中央値 |
|---|---|
| 家族葬 | 96.39万円 |
| 一般葬 | 122.01万円 |
| 一日葬 | 74.43万円 |
| 直葬・火葬式 | 49.56万円 |
| 全体の中央値 | 96.73万円 |
家族葬と一般葬の差は約26万円で、「半額になる」という水準ではありません。内訳の中央値は次のとおりです。
| 内訳 | 中央値 |
|---|---|
| 基本料金 | 72.02万円 |
| 飲食費 | 11.67万円 |
| 返礼品費 | 13.03万円 |
飲食費と返礼品費は参列人数で変わるため、家族葬でも人数が増えれば総額は上がります。なお、宗教者へ渡すお布施は、この総額とは別に用意するものとして考える必要があります。
表示価格と総額がずれる理由
葬儀社のプラン表示価格と、最終的な総額がずれる主な理由は、プランに含まれていない費用があるためです。見積もりでは、次の項目が含まれているかを確認してください。
- 式場使用料と、通夜・葬儀の2日分か1日分か
- 火葬料金(公営・民営で異なり、地域差も大きい費用です)
- ご遺体の安置料と、安置日数が延びた場合の追加料金、保冷のためのドライアイス
- 祭壇・棺・骨壺など、プランの品目とグレードの変更差額
- 飲食費・返礼品費(人数で変動すること、単価の目安)
- 車両費(搬送料、霊柩車、マイクロバスなど)
「基本プラン○万円」という表示は、あくまで出発点です。判断材料になるのは、自家の条件(人数・日数・式場)を入れた総額の見積書です。
契約前に確認すること(チェックリスト)
同じ調査では、喪主の63.8%が「葬儀の事前準備をしていなかった」と答え、87.1%が葬儀社をほかの会社と比較せずに決めていました。慌ただしい中で決めることが多いからこそ、判断基準を持っておくことが大切です。
- 生前に事前相談や見積もりの取得ができるか(事前に総額の見積書をもらっておくと、いざというときの比較材料になります)
- 見積書に、項目ごとの内訳と単価が明記されているか
- 追加料金が発生する条件(安置日数の延長、人数の増加など)が契約前に説明されるか
- 希望する式場・火葬場で施行できるか、提携外の場合はどうなるか
- 会員制度や互助会に入る場合、積立金の扱いと解約時の返還条件が明記されているか(解約手数料を差し引かれる契約があります)
- 担当者や施行の体制が自社か、提携先に任せるのか
価格の安さだけでなく、「総額の見積書を事前に出してくれるか」「追加の条件を先に説明してくれるか」が、行き違いを防ぐ実質的な基準になります。
資料請求・事前相談のご案内
葬儀は、亡くなってからでは比べる時間がほとんどありません。元気なうちに2〜3社から資料と総額の見積もりを取り寄せ、家族と共有しておくことが、いちばん確実な備えです。
※この案内枠のリンクは、提携先が決まるまで準備中です。リンクが設置されるまでは、このボタンから申し込むことはできません。
よくある質問
家族葬にすれば、費用は一般葬の半額くらいになりますか
なりません。全国調査の中央値では、家族葬96.39万円に対して一般葬は122.01万円で、差は約26万円です。飲食費と返礼品費は参列人数で変わるため、家族葬でも人数が多ければ総額は上がります。「家族葬=大幅に安い」と考えず、総額の見積書で比べることが大切です。
プランの表示価格のほかに、どんな費用がかかりやすいですか
火葬料金、式場使用料、安置料(日数が延びた場合の追加分やドライアイス)、車両費などが、プランに含まれていないことが多い項目です。また、宗教者へのお布施は葬儀費用の総額とは別に用意します。見積もりでは、これらが含まれているかを一つずつ確認してください。
葬儀の見積もりは、生前に取ることができますか
事前相談や生前の見積もりに対応する葬儀社があります。調査では喪主の63.8%が事前準備をしていなかったと答えており、亡くなってからでは比べる時間がほとんどありません。元気なうちに総額の見積書をもらって家族と共有しておくと、いざというときの判断材料になります。
国民健康保険から葬儀の給付はありますか
国民健康保険の加入者が亡くなった場合、喪主などに「葬祭費」が支給されます。金額は市区町村ごとに条例で定められており、申請が必要です。広島県内の市町ごとの金額は広島県内の葬祭費(国民健康保険)市町村別一覧にまとめています。
地域別の情報
火葬料金は、自治体や施設によって大きく異なります。市区町村別のお墓ガイドでは、各市の市営火葬場の使用料もまとめています。たとえば三原市の市営斎場は使用料が条例で原則無料、広島市の市営火葬場は市民8,200円・市外59,000円など、住んでいる市によって条件がまったく違います。
葬儀のあとの遺骨の納め先については、永代供養の選び方とおすすめの探し方もあわせてご覧ください。
出典
この記事は2026年11月4日時点の公表情報をもとにしています。費用は地域や条件で大きく異なりますので、申し込みの前に必ず各葬儀社の見積書でご確認ください。